【973万馬券】NHKマイルカップ(2007) ~17番人気と18番人気がもたらした、自殺ペースの残りカス~

■ 脳汁ポイント:電光掲示板の故障を疑うほどの「理解不能なバグ」

  万馬券どころの話ではない。オッズの桁がおかしくなり、観客が「掲示板が壊れたのか?」と目を疑った伝説のレースがある。2007年のNHKマイルカップ。3連単配当「973万9870円」という、論理崩壊の3分間だ。

 17番人気のピンクカメオが1着。18番人気のムラマサノヨートーが3着。 なぜこんな、鉛筆を転がして決めたような着順になったのか? 理由はシンプルだ。前の馬たちが「全員仲良く自殺した」からである。

 このレース、血の気のある若馬たちが先陣争いを繰り広げた結果、前半の800mを「45秒8」という、マイル戦(1600m)としてはあまりにも無謀で狂った超ハイペースで通過した。

 これは、前にいる馬たちが最後の直線に辿り着く前にスタミナを完全に使い果たす「自殺ペース」だ。 案の定、直線に入ると先行していた人気馬たちは一斉に酸欠状態に陥り、次々と馬群に沈んでいった。

その地獄の消耗戦の中で、ただ2頭だけ、このバカげたペース争いに一切加わらず、最後方でのんびりと息を潜めていた馬がいた。それが17番人気ピンクカメオと18番人気ムラマサノヨートーの大穴2頭だ。

 彼らは実力が突出していたわけではない。「前の連中が自滅して、完全に足が止まる」のを後ろでじっと待ち、最後の数百メートルだけで残った全スタミナを爆発させ、屍の山を駆け抜けただけなのだ。(さらに言えば、勝ったピンクカメオは、直前に桜花賞という牝馬最高峰の地獄を経験しており、タフな展開への耐性が備わっていたと筆者は考えている)

■ 万馬券への教訓 「若馬のG1。前が『自殺ペース』を刻む時、最後方のゴミ(大穴)が宝の山に変わる」

 キャリアの浅い馬たちがフルゲートでぶつかり合うレースでは、しばしばジョッキーもコントロール不可能な「暴走ペース」が発生する。

 全員がハイペースで自滅する展開が見込めるなら、中途半端な実力馬を買うのは無意味だ。

 オッズを見るな。新聞の印を破り捨てろ。「前が全滅する」と踏んだレースでは、腹を括って「一番後ろからチマチマ走っているだけの人気薄」を拾い集めろ。論理が崩壊したレースでは、最後まで何もしなかった奴が札束をかっさらうのだ。

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この記事を書いた人

 20年以上にわたり、パチスロ、公営競技、オリパに至るまで理不尽な確率の壁と殴り合ってきた生粋のギャンブラー。
 エセ期待値稼働を「退屈な労働」と切り捨て、ギャンブルの真の価値である『脳汁(快楽)の全肯定』を提唱。NOZILの総責任者として、狂った勝負の世界を発信している。

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