■ 脳汁ポイント:吐き気を催すほどの「ヒリつき」
このレースの3連単配当は1万900円。配当としてはいたって普通である。だが、不夜城「NOZIL」の奥座敷にこれを飾る理由は、「ギャンブルにおいて最も心臓に悪い13分間」がここにあるからだ。
歴史的名牝、ウオッカ(1番人気)とダイワスカーレット(2番人気)。レースは、逃げるダイワスカーレットを、直線でウオッカとディープスカイが完全に捕らえたかに見えた。
普通なら、逃げ馬はここで力尽きる。だが、ダイワスカーレットはそこからもう一度、常識外れの差し返しを見せた。 内ダイワスカーレット、外ウオッカ。2頭の牝馬が完全に馬体をぶつけ合いながら、死闘の果てに同時にゴール板を駆け抜けた。
その差、わずか2センチ。
肉眼では絶対に判別不可能なまま、電光掲示板に「写真判定」の文字が点灯する。その時間は、実に13分。どちらの馬券を握っているかで、天国か地獄か。観客席の数百万人は、胃液が逆流するような緊張感の中で、ただ祈るしかなかった。
そして、確定ランプが「ウオッカ」の番号を照らした瞬間に起きた大歓声と悲鳴。これぞ、競馬という麻薬の純度100%の結晶だ。
■ 万馬券への教訓 「『絶対に崩れない2強』がいる時は、ヒモ荒れ(3着)に全脳汁を注げ」
歴史的なバケモノが2頭、完璧な仕上がりで激突する時、無理に逆らって変な大穴の1着を狙うのは、ただの無謀なノイズだ。
だが、2頭が常軌を逸したペースで激しく競り合うことで他の有力馬が完全に潰れ、3着に誰も予想しなかった「たまたま展開が向いた大穴」がフラフラと飛び込んでくることは多々ある。
強すぎる2強がいるレースでは、「1着・2着を固定し、3着に全通り(総流し)の大穴を忍ばせる」のが、最も効率よく、かつ安全に脳汁を分泌させる買い方だ。

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